この先行けないの?ボリシャルにて
ダッカから出航した船は、翌朝ボリシャルの港に到着した。
ここからさらにチッタゴンへと船で移動するつもりなのでチケットを買いに行く。ブッキングオフィスには、やる気のまったく感じられないおやじがいた。
「今夜の船でチッタゴンへ行きたいんだけど」
「満席だ、取れない」おやじはあっさり言い放った。
「他の船は無いのか?」必死に食い下がると、俺達の緊迫した表情におやじもやっとごそごそと調べだした。
「今日の午後2時にもう一度こい、その時にわかる」なんだか少しヤバいかもしれない。チッタゴンまでのチケットが買えなければ旅が続けられない。まぁ今あわててもしょうがないのでとりあえず2時にまた来ることにする。
そして午後2時ふたたびブッキングオフィスを訪れると、今朝のおやじは何処にもいない。
とりあえずそこらに居た従業員に聞いてみる。
「今夜の船でチッタゴンへ行きたい」
「満席だ、取れない」けっ、またかよ。
「今夜の午後6時にこい、船が到着しないとわからん」またしてもあっけなく追い帰される俺達。仕方がないので出直す。それにしてもここの連中やる気あんのかよ?しかし、なんだか今回ばかりは本当にチケットが買えないかもしれない、、、どうしよう。
やがて6時になり俺達は、またまたここに戻って来た。おやじはいたが電話や人の応対で忙しい。はたして本当にチッタゴンへ行けるのだろうか?
待っている間、周囲の人々はチッタゴンに行くならダッカにもどってバスで行けと言っている、その方が安くて速いと。
でも、またダッカに戻るのはバカバカしいし、それじゃ〜旅の意味が無いのだ!船で行きたいのだ!バカボンのパパなのだ!頑な俺達に周りのバングラ人もこいつらだめだと説得を諦めたもよう。
かなり長い時間待たされて「もうダメだ終わった」と思い、俺達は涙目になりながら”いなかっぺ大将”のどぼちて…のポーズをしていると、おやじはゆっくりと俺達の船のチケットを発行しだした。
やった!こっっこれでチッタゴンへ行ける、、、、おやじドンノバード(ありがとう)俺達の安堵の表情とおやじのめんどくさそうな表情とは対照的であった。
ようやく チケットをゲットした俺達は停泊している船に走って乗船したのであった。
長い長〜〜〜い船旅。
夜9時出向のはずが、結局船が出た時間は深夜0時を廻っていた。翌朝にはチッタゴンに到着するとは聞いていたのだが、まったく着く気配がない。
他の乗客に聞いてみると、昼には到着するとのこと。しかし、それもデマだった。いくらたっても一向につく気配がない。
退屈な船内ではジャパニがこの船に乗ってるというので、俺達のキャビンの前にはたくさんの見物人の人だかりが出来てしまい、窓からジロジロと俺達の事をひたすら見ている。。
もう、ほとんど動物園状態。「お前らそんなに俺達の事がめずらしいのか!!しまいにゃ金取るぞ〜!」仕方がないので人が集まる度に、電機を消して寝たふりをして見物人が居なくなるのを繰り返す。いいかげんに早く着いてくれよ。頼むから。マジで。それにしても暇だ。
あまりに退屈しきっていたので、船長室に遊びに行ってみる。この船のキャプテンはカッコ良く船を操縦していた。周りの乗組員もとっても好意的だ。しかしそこも何時間も居られるわけでもなく。仕方なくキャビンにもどり巨大なゴキブリがうじゃうじゃいるベットでひたすら眠りつづけた。
船に乗って二回目の朝が来た、そしてついに船は早朝9時にようやくチッタゴンに到着した。ここまで来るのに、じつに2泊3日もかかってしまった。長い長い船旅だった。ひょっとしてこのまま永久に着かないんじゃないかとおもったよ。
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