明日、帰国するので今晩で上海の街ともおさらば。ノリさんとベンちゃんは最後の夜にジャズバーに行ってみることにした。今日は週末ということもあって南京東路は歩行者天国になり街は大勢の人々でにぎわっている。その人ごみの中をローラースケートで駆け抜けていく人達がたくさんいる。流行っているみたいだ。
俺達が着いた先は、建物からして上海租界の面影を今も残す「和平飯店」。ここでジャズでも聞きながらカクテルなんぞ飲んでみたかったのだ。バックパッカーらしからぬ感じもするけど、最後くらいちょっとした贅沢ってとこだ。
バンドマンたちは、みなさん高齢でまさか租界当時から演奏してるのか?とか思わせるような感じだった。曲はグレンミラーなどのスタンダードナンバーを演奏している。
俺達はカクテルを注文し、今回の旅の話を話しあっていた。
やがてバンドは、店内に日本人がいる事が分かるとなんと演歌を演奏し始めた。。。きっとこれもサービスなんだろうけど、どっちかって〜とシラケるんだよな〜「北国の春」やられてもさぁ…。
一杯のカクテルでかなりの時間ねばっていたが、そろそろ長居するのも限界がきて、引き返す事にする。お会計ではきっちりとチャージ料まで取られていた。上海の物価感覚から言うと異常な値段であった。
さらば上海
翌日、俺達は空港に向かうために、ベンちゃんが3輪バイクのおばちゃんに値段交渉。隣で見ているとなんと、ベンの奴、この3輪バイクで空港まで行ってくれと交渉している。すごく遠いのに…。原チャリのカブエンジン搭載のこの3輪バイクで、おまけに3人も乗車して空港までなんて不可能なのでは?
当然断わられて近くのバス停まで乗せてもらう。それにしてもベンの感覚って中国人以上だよな〜〜。
おばちゃんの操縦する3輪バイクは、ギュルギュルと無気味な音をたてながら上海の街を後にするのであった…。
終わり
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