朝鮮学校の学芸会

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北へ行ってみない?
リーンリーン、ガチャ
「もしもし、あ、ベンか」ノリさんの悪友ベンちゃんからの電話だった。
ベンちゃんは次の瞬間、旋律の言葉を発した。
「北へ行ってみない?」
「きっ北ってあの北朝鮮…だよな」
「そうそう、 とりあえず家の前まで来てくれ、速攻でね〜」
「そっそれはいいけど…それっていったい…」
わけの分からないままノリさんはベンの家までバイクを走らせたのであった。

東京下町の某町にあるベンちゃんの家。その周辺には、かつて朝鮮部落があった場所。今では都市開発も進み整備されてはいるものの、まだまだその一画には周囲とは違った雰囲気をかもしだしている地域。言うなればベンちゃんは毎日がリトル外国に潜入しているような生活を送っているツワモノだ。
「ここらへんの町ってマジで面白いんだぜ〜」
このあたりには何度も来たことがあるノリさんだが、改めて町を歩くのは初めてだ。そこには朝鮮学校を中心に在日の人々が暮らしてるエリアがあった。小さな教会があったり、こじんまりした焼肉屋も数件。町を歩いていると朝鮮語も聞こえてくる。
「さっじゃ今日のメインと行くか、ちょっと着いて来てくり」
そう言うとベンちゃんはバイクにまたがった。
いっ、いったい何処へ?もしかしてベンってスパイだったのか?そんな疑惑をかかえたままバイクを走らせた。
いったい どうなる俺!。


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朝鮮学校の学芸会
ベンちゃんに連れてこられたところは、区営のホールだった。今日はそこでなんと朝鮮学校(小中)の学芸会が行われるんだそうな。
日本の中のマイノリティーであるジャパニーズコリアン。日本人のもっとも近い隣人であるのに、その実体はあまり知られていない。彼らの知られざる文化を観るには絶好の機会じゃないか!でかしたぞベンちゃん!

さっそくホールへ入ると、「今始まったばかりですよ〜」っと、パンフレットを手渡された。急いで会場に入るとそこは小奇麗な劇場のようなホールで、ステージではすでに朝鮮語による唄を歌われていた。
しかもビックリすることにここではほとんどの演目が朝鮮語で行なわれていた。各演目の間には男女生徒によるMCが入るのだが朝鮮語の解説の後、さらりと日本語の説明を入れる程度で後はすべてが朝鮮語で構成されている。朝鮮語の教育もばっちり行われているんだな〜、みんな若くしてバイリンガル状態だ。
よくよく耳をすましてみると、会場の観客も日本語を話しているかと思うと、とたんに朝鮮語に切り替わったり、日本語と朝鮮語のチャンポンのオリジナル言語だったりしている。

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ステージでは次々に各演目が披露された。全体を通して民族色の濃い内容なのだが、それらがコミカルに明るく楽しく行われているのでとっても面白い。
キムチを作る工程を楽しく演じるものから、伝統的な民族競技の紹介では、シルム(相撲)やテコンドーのような格闘技。それと、朝鮮語の勉強に関するすったもんだを題材にした漫才など、ボケ役の子供もいたりして言葉が分からなくてもすごく楽しめる。しかも、みんな素人とは思えないくらいに上手にやって、プロ顔負けの演出だし。
各演目を注意深く見ていると、同じ生徒がさまざまな演目に出演していることに気がつく。全体の生徒数が少ない為ではあるが、どの演目もそうそう簡単に出来るものじゃないものばかりだ。きっと物凄い練習したんだろうな〜と、なんだか関心してしまう。本当にみんなで力を合わせて作った感じが伝わってくるのであった。
そんな中でノリさんとベンちゃんが一番爆笑したのは、学校生活をミュージカル風に演じたもの。爪先立ちにテトテト歩く歩き方が「いなかっぺ大将」の、大ちゃんがやるバレリーナそっくりで異常にウケてしまった。でも本来その場面は笑うところではないらしく、笑うに笑えず俺達は腹がよじれるのを必死にこらえる。でも耐えれば耐えるほどおもしろさが増してきて、俺達は涙を流し歯をくいしばり悶絶しながら観賞したのであった。

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踵落しを決める
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伝統的ゲーム
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ジャンピングマシーン、ノルティギ
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ナンタ風の演目
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グリコポーズ
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大ちゃんばりの身のこなし

途中休憩をはさんで、1部と2部で構成された今回の学芸会。休憩時間にはコーヒーなどのサービスもあったりして、ちょっとした異文化体験をするにはもってこいのものであった。
ジャパニーズコリアンとして 日本に居ながらにして朝鮮民族としてのアイデンティティーを持つのは難しいけど、こうして独自の文化を引き継いでいくのは、とてもいいものだと感じた。
ちなみに日本ではアメリカの占領軍によって民族教育は弾圧されて以来、民族教育は行なわれなくなったけども、もし純日本風の学芸会をやったとしたら、めちゃくちゃ地味なんだろうな〜などとちょっと思ってしまった(笑)。
今日はなんだかとっても濃い異文化体験をしてしまった感じ。とっても面白かった。ただ、時として多民族同士というのは、言われ無き偏見や誤解を生む場合もある。今後はもっとこうした活動を通して相互理解を進めるのがいいんではないだろうか。

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全校生とによる合唱
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太鼓と唄
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ピョンヤン・洗心
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危機っていったい?


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