ダマスカスからバスで数時間、砂漠の中に巨大な遺跡パルミラがある。ここにはかつて数千年前にシルクロードの中継地点として繁栄を誇った王宮都市が存在した。今だに石の柱が当時と変わらず何本かそびえ立っていて、神殿やローマ劇場なども残されている。復旧作業も続けられてはいるが、辺りは石の瓦礫が無数に燦爛している。
遺跡の入口には、怪獣がいた。ホゲ〜ホゲ〜と吠えている。よく見るとそいつは怪獣じゃなくラクダだった。 けっこうラクダって恐い動物なのかもしれない。
遺跡の中を散策していると、物売りのおやじがよってきた。
「俺は、5人の嫁さんと子供達を食わしてかなくちゃいけねんだ、クッフィーヤ(ようするに頭に巻くターバン)を買ってくれ」と言われ、シャイ(紅茶)まで御馳走になってしまったので、かな〜り値切って買ってあげた。(後で知ったが、それでもまだボられてた)
遺跡群から離れ、小さな町の通り沿いの店でコーラを買う。その店は人懐っこい3人兄弟が店番をしていて、
店の中でゆっくりコーラを飲んでいってくれと、彼らは小さな椅子を出してくれた。
シリアの人達はとても親切で、とても人懐っこい人が多い。まったくスレていない感じの人ばかりなのだ。そしてたいてい俺達のような東洋人を見ると、「お前は、カンフーが出来るのか?」と聞いてくる。ここシリアでもバリバリにジャッキーチェンやブルースリーは、人気があるのだ。「もちろん!カンフーぐらいできる!」とノリさんは豪語して酔拳の型を少しだけやってみる。
ほんのものまね程度でも結構ウケテくれたりしてくれるのだ。
彼等との話ははずんで、フットボール(サッカー)の話題などで盛り上がった。ちなみに、アニメ「キャプテン翼くん」はシリアでも「キャプテンマージェット」と言う名前でテレビで放送していたらしい。
その店の17才の末っ子の少年はまだダマスカスの街にも行った事がないという。一度ダマスの街を見せてあげたい、でも今のままの純真なままでもいて欲しいと思うノリさんであった。
ゲイに迫られた夜
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